やんちゃ坊主!
今の時代、「草食系男子」「優しい男子」は確かに増えた。
世の中、楽しいことが多すぎるのか、女の子と朝まで一緒に過ごしても何事も起こらない、らしい。カラオケだけで充分に楽しめる、らしい。
私の場合、自分の大学時代(増してや体育学部)を考えただけでも本心から「そんなことあり得ない。」と思ってしまう。今、教師である以上余計なことは書けないが、その「余計なこと」ばかり考えていた。そして、それがカッコイイ「やんちゃ坊主」とさえ思っていた。
勿論、「余計なこと」ばかり考えている男子が「やんちゃ坊主」と言ってるのではない。私なりの「やんちゃ坊主」とは親分肌で生意気さと優しさとシャイな部分が同居しているというイメージ。
先日の柔道の時間に久々に私の好きな「やんちゃ坊主」に出会うことができた。条件をすべて満たしてはいないものの普段からハチャメチャの雰囲気を持ちながら、気が優しく、涙もろいみたいな男子生徒に久々に出会えた。
その実際の内容は次の通り。
2学期後半となり、授業の柔道と言えども試合をやらせてみた。怪我ばかり恐れていては柔道の授業を実施している意味がないと思うからである。
普段の様子(立ち技)から強いと思われていたA君(他の生徒たちからも多分優勝するだろうと思われていた)、準決勝でB君に敗れてしまった。紙一重の差での敗戦。悔しそうな表情を浮かべてはいたが、決勝戦でB君が優勝を決めたあたりから、ちょっと雰囲気が違ってきた。
決勝戦終了後、少し時間が余ったので全員に乱取(立ち技)の時間を与えた。するとA君は早速B君の所へ行き、リベンジの申し込み。B君も快諾。
10秒後、A君はB君を倒し、リベンジ達成。しかし、あくまで練習でのこと。「試合で勝たなければ意味はない」とA君も言っていた。「確かに」と私。
授業が終了し、A君以外は全員道場から退出した。道場から出て行かないA君が気になり、私が彼の顔をのぞき込んだ瞬間から、大粒の涙がポロポロ。
よほど悔しかったらしく、暫く泣きやまない。私は彼が高校2年生だけにビックリと感動を覚えてしまった。「こんな子が居たんだ!」と思ったら嬉しくなった。
「負けて泣くほどの悔しさを感じることは、嬉しさ・楽しさもいっぱい感じることができることだよ、これから先、いっぱい幸せがやってくるよ。」と思わず、根拠のない話をしてしまった。でもその時にはかわいい笑顔になっていた。きっと魅力的な男性へ成長だろう。
私も嬉しさとホッとした気持ちでいっぱいだった。久々に「やんちゃ坊主」に出会うことができた。
実は私が自他ともに認める「やんちゃ坊主」だった。
そして、今もそうありたいと思ってる。
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コメント
居ました、居ました!「やんちゃ坊主」が!今から数十年前私の回りには確かに居ましたね


今もきっと居るのでしょうが、強くなった女性の方がクローズアップされてしまっているように思います
A君B君のエピソード、ホッコリするお話ですね
A君が感じた感情はとても大事でこれから何年何十年経っても彼の糧になっていくことでしょう。
私は再挑戦を快諾したB君も天晴れと思いましたよ。
今後も二人に熱い友情が続いて、同窓会のたびに「あの時は〜」と話題になれば楽しいなと勝手に思ってしまいました。
投稿: 久 | 2011年11月20日 (日) 13時32分
久さま
そうなんです。Bくんの気持ちもカッコ良かったのです。
優しい「やんちゃ坊主」の将来が楽しみです。
投稿: 佐藤康 | 2011年11月20日 (日) 22時32分
佐藤先生の素敵なお話に、自分自身の若い頃を重ね合わせました。
良い意味で、ヤラれたらヤリ返す、という
気持ちが余りにも無さ過ぎるのは、男として如何なものでしょうか。
研修医を育てるにも、
・宿題を出してはダメ(辞めちゃうから)
・叱っちゃダメ(泣き出すと困るから)
これから先のある若い連中を甘やかす雰囲気が、
人の命が掛かっている病院ですら、
最近あることに、首を傾げております。
渋々にも骨のあるヤツが居るんですね。
そして、根拠がないとは云われても、教師と
して学生に道標となる言葉をかけられた
佐藤先生の魅力に惹きつけられました。
私は佐藤先生の様な魅力ある教員にはなれませんね。
千尋の谷から這い上がった沙羅を、有無を
言わさずに再度叩き落とす育て方でした
ので・・・
投稿: Dr. Terry | 2011年11月21日 (月) 14時40分
沙羅パパへ
子どもが成長する時、その子の周りには色々な大人が必要です。パパ・ママは勿論ですが、人間性色々が必要なのです。
だからパパが厳しければ、やや軟弱な指導者が居てちょうどい良いのです。
つまりバランスが大切なのです。
でも沙羅はかなり成長しました。全日本級の選手となれば、我々は最大なる応援者であることがイイかも知れません。
私は沙羅ファンになります。
投稿: 佐藤康 | 2011年11月22日 (火) 13時41分