« 2012年10月 | トップページ | 2012年12月 »

2012年11月

2012年11月24日 (土)

一度は天狗に

 先日、何気なく大相撲中継を観る機会があった。

 ゲスト解説には今年いっぱいで引退したソフトバンクの小久保選手だった。

 私はジャイアンツファンだが、プロ野球ファンでもある。小久保選手に対しても彼がジャイアンツ在籍時代からのファンであった。

 その相撲中継中の話である。相撲のアナウンサーが小久保選手に「彼自身がスランプになった時の理由」を尋ねる場面があった。

 すると彼は「天狗になっていたから」と即答。

 実に解りやすい。

 ただ、「天狗になったお陰で今がある」とも語っていた。「天狗の鼻をへし折ってくれる人たちが周りにいたから」という。これまた解りやすい。

 私は生徒たちに「勝っておごらず、負けてくさらず」という話をたまにする。

 小久保選手の場合は「勝っておごり、負けてくさらず」ということになる。

 スポーツ選手の場合、勝負の世界で生きていくためには多少良い意味で「生意気さ」や「目立ちたがり精神」も必要。

 ただ、出過ぎると打たれる。しかし、出過ぎてみないとその打たれるラインが分からない。

 確かにプロとアマチュアの違いは歴然としている。プロに許されてアマチュアには許されないこともあるだろう。また、その逆もあるだろう。

 うちの柔道部に置き換えて考えてみると、トップ選手となった中村、これからなりそうな朝比奈を見ても「天狗にはなっていない」、それでいいのだが、何か新しい指導法(天狗になるほどの実績を出し、それでいて何となくかわいい選手を生み出す環境作り)も考えてみたくなった。

 「周りの人たちが天狗になってもムカつかず魅力的に感じ、そしてなぜか謙虚さと真摯な態度もチラッと見える。」

 そんなスポーツ選手、どこかにいたように思うが、誰だか思い出せない。

 でも確かに存在してるはず。してたはず。

 何でも「微妙にラインを越えない適量・適度」であれば、すべて魅力になるということか?

 でも、そのラインが分からないので「一度突破」してみることもいいのでは?

 という気持ちになった。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2012年11月15日 (木)

沙羅は何か持っている!

 久々の更新。

 先週の土・日、千葉ポートアリーナで「講道館杯」が行われた。

 別名は全日本柔道体重別選手権大会である。所謂、各階級日本一を決める男女の大会である。

 本校からは期待の朝比奈沙羅が78キロ超級に出場した。卒業生の渡辺華奈(JR)・上村凛歩(三井住友海上)も共に63キロ級に出場。

 沙羅の試合は10日(土)に行われ、1回戦は一本勝ち。2回戦で白石のぞみ選手と対戦、4月の皇后盃では勝利していた相手だったが、何故か残り1秒で逆転負け。実力なのか、魔がさしたのか残念な結果であった。

 ただ、間違いなく負けであり、今回は審判にも文句無し。

 その後、白石選手は強豪選手を破り、見事初優勝。

 勿論、沙羅も優勝を狙っていた。それは優勝すると来月の大会であるグランドスラム東京(何年か前まで福岡国際柔道大会と言われていた試合)への出場権がほぼ得られるからである。

 シニアとして世界へ羽ばたける試合としての位置づけと考えていたからである。

 ところが大会2日目終了後、グランドスラム東京への出場選手選考会議において日本代表4名の中に朝比奈沙羅が含まれていた。

 グランドスラム東京は12月1・2日に開催され、沙羅が出場するのは2日(日)である。テレビ東京で放映されるようだ。応援の方よろしくお願いしたい。

 選出された理由は高1という若さへの期待と杉本選手(ロンドンオリンピック78キロ超級銀メダリスト)が第一線から引退することもあったのかも知れない。

 沙羅の最近の試合を観てると面白い。身内だから正直ドキドキものだが、試合は観ていて楽しい。

 観る側に楽しいと思われること・魅力を感じさせることは非常に大事なことと思う。

 これも選ばれた大きな要因のひとつと勝手に思いたい。

 ラッキーだけではない「何か」を沙羅は持っているのだろう。

 4年後、リオの星となっているかも知れない。

 卒業生の渡辺は2回戦で負傷してしまい敗退、上村も僅差の判定で2回戦で敗れた。

 中村美里も含め、トップステージで活躍する渋渋柔道家たちは私の誇り。

 そして、柔道ではない次のステージでも輝いてほしい!

| | コメント (10) | トラックバック (0)

« 2012年10月 | トップページ | 2012年12月 »