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2012年11月24日 (土)

一度は天狗に

 先日、何気なく大相撲中継を観る機会があった。

 ゲスト解説には今年いっぱいで引退したソフトバンクの小久保選手だった。

 私はジャイアンツファンだが、プロ野球ファンでもある。小久保選手に対しても彼がジャイアンツ在籍時代からのファンであった。

 その相撲中継中の話である。相撲のアナウンサーが小久保選手に「彼自身がスランプになった時の理由」を尋ねる場面があった。

 すると彼は「天狗になっていたから」と即答。

 実に解りやすい。

 ただ、「天狗になったお陰で今がある」とも語っていた。「天狗の鼻をへし折ってくれる人たちが周りにいたから」という。これまた解りやすい。

 私は生徒たちに「勝っておごらず、負けてくさらず」という話をたまにする。

 小久保選手の場合は「勝っておごり、負けてくさらず」ということになる。

 スポーツ選手の場合、勝負の世界で生きていくためには多少良い意味で「生意気さ」や「目立ちたがり精神」も必要。

 ただ、出過ぎると打たれる。しかし、出過ぎてみないとその打たれるラインが分からない。

 確かにプロとアマチュアの違いは歴然としている。プロに許されてアマチュアには許されないこともあるだろう。また、その逆もあるだろう。

 うちの柔道部に置き換えて考えてみると、トップ選手となった中村、これからなりそうな朝比奈を見ても「天狗にはなっていない」、それでいいのだが、何か新しい指導法(天狗になるほどの実績を出し、それでいて何となくかわいい選手を生み出す環境作り)も考えてみたくなった。

 「周りの人たちが天狗になってもムカつかず魅力的に感じ、そしてなぜか謙虚さと真摯な態度もチラッと見える。」

 そんなスポーツ選手、どこかにいたように思うが、誰だか思い出せない。

 でも確かに存在してるはず。してたはず。

 何でも「微妙にラインを越えない適量・適度」であれば、すべて魅力になるということか?

 でも、そのラインが分からないので「一度突破」してみることもいいのでは?

 という気持ちになった。

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コメント

誉められて伸びるタイプや批判されて頑張るタイプがいるように
天狗になって伸びるタイプもいそうですよね。
でも天狗になったスポーツ選手へのバッシングを見て
今の世の中では受け入れられないんだなと思いました。
そのラインを突破しても変わらず応援してくれる人はいると思いますが
本心で「死ぬほど練習したのでメダルは自分のお陰」と言った
柔道石井選手への世間からのバッシングは忘れられません。
スポーツに限らず勉強もそう。
いつも英語の成績いい子に「すごーい」と(本心で)言っていたら
「そんな成績よくないよー、Ayaのん♪ちゃんは喋れるじゃん!私は全然だもん」と言っていました。
それが謙虚さなのかなと思っていましたが
逆に「うん、私英語できるからさー」と言われると何となく違和感ありますよね。
ダーリンは外国人という本にも似たようなことが書いてありましたが
日本は謙虚さが返ってくることを自然に期待している文化なのかもしれませんね。
それをバネにできる子はいるのかな。

投稿: Ayaのん♪ | 2012年11月24日 (土) 23時33分

Ayaのん♪さまへ

 お久ぶりですね。

 Ayaちゃんは帰国生としての独特の感性を持っているから日本人の感性に対しても敏感なのかも。

 石井選手へのバッシングは確かに凄かったた。

 その理由は、日本人は「謙虚さが美しい」という考え方を持ってるからだね。

 ただ、彼の代弁をするとユーモアやシャレ(日本人には伝わりづらいもの)も含めて天狗状態を貫いてしまった部分があったと思う。いい子に戻るタイミングを失ったようにも感じます。

 彼の実力はこんなものではないので、何らかの形でかならず復活してくれると私は思ってます。

 また、コメントお待ちしています。
 お元気で!

投稿: 佐藤康 | 2012年11月25日 (日) 10時04分

日本人気質というか文化というのは、なかなか変わらないし、そうそう変える必要もないことですが、(各界で)トップに立った時に、ちょっとした態度の違いで、周りの反応は様々ですね。
小久保選手。正に天狗になっても魅力的な選手の一人だったように思ってます。
天狗になるくらい自分の力に自信を持っていないと一流にはなれないように思うし、それをへしおってくれる人に謙虚に接することで、更にレベルを上げる、「周囲を見る目」も持ち合わせていないといけないっていう感じでしょうか。
佐藤先生はジャイアンツファンとのことで、もしかしたらムカつくだけかもしれないですが、カープ・タイガースで活躍し、先頃引退した金本選手は、普段は天狗そのもののように思えますが、裏方への影での感謝などもあって、引退発表後の各球場での敵味方ない対応は、さすがだなと思いました。
引退会見での「悔いといえばいろいろあるが、若い時にもっと練習しておけば良かった」という言葉も凄かったです。あれほど練習する選手は、近年のプロ野球選手ではいないと言われているほどなのに!
何事でも、魅力あるトップになるには、微妙なラインを知ることが大切なのですかね?

投稿: 在校生の父 | 2012年11月25日 (日) 11時03分

在校生の父さまへ

 金本選手は私が仙台出身なので、東北福祉大時代から活躍は知っていました。なぜ、巨人には入らないのとは思いましたが、素晴らしい選手であることも野球以外での活動も、優しい人間性も感じております。

 やはり適度な「ヤンチャ天狗!」が魅力的なのかも知れませんね。

 金本選手はそのイメージに合致している気がします。

 「ヤンチャ天狗」が育つ環境、考えてみます。

投稿: 佐藤康 | 2012年11月25日 (日) 13時00分

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