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2015年8月

2015年8月26日 (水)

美里有難う!

 カザフスタン・アスタナで開催されている「世界柔道選手権」において、昨日中村美里が女子-52㎏級で金メダルを獲得した。

 4年ぶり3回目の世界選手権優勝である。

 前回はロンドンオリンピック前の優勝!今回もリオデジャネイロオリンピック大会の前年になる。オリンピック日本代表に選出されるか否かは、来年4月まで分からないが、かなり近づけたことは確かである。

 期待ではなく、楽しみにオリンピック代表となる瞬間を待ちたいと思う。そして、金メダルを獲る瞬間は、できれば現地で見届けたいと思ってる。

 ロンドンオリンピック初戦敗退から、世間的にはあっという間の3年間だったような気がするが、私にとっては長い3年間と感じている。美里にとってはどれ程のものだったか?

 ロンドンオリンピックで負けた日の夜、美里と一緒に食事を摂ることができた〔メダリストになってしまうとテレビ出演でとても一緒にはすごせない〕。私の記憶だとロンドン三越の隣の日本食レストランだった。

 膝の痛みを抱えながらの戦いだったので厳しい戦いになることは予測できていたが、本人は一切そのことを口にすることはなかった〔アスリートとしては当然のことだろうが〕。

 日本に帰国後、あらためて病院で診察をうけたところ「左膝前十字靭帯断裂」であり、10月に再建手術受けることとした。多分、この時は柔道への復帰はどの程度考えていたのか、私には計り知れない。

 その後、大手術は成功したが、リハビリの大変さは想像を絶するものだった。そして1年後には補助金具除去のための手術。メスを入れる以上、術後のあらためてのリハビリは当然で、よくも腐らずに耐えたものだと思う。

 最初の復活の時、講道館杯を制したがグランドスラムでは思うような戦いができなかった。そして、本格的な練習ができるようになり、今年4月の体重別選手権で優勝し、世界柔道選手権代表に選出され、今回の金メダルに繋がった。

 美里は私の教え子ではなく、私の「恩師」ぐらいに色々なことを教えてくれた。飽きっぽい私に「我慢すること」・「耐えること」はまさにそれである。

 自由さ・楽しさは私の強い思いであるが、美里はそんな私の気持ちも彼女の中で上手に使い分けていたように思う。

 今、校長として色々な取り組みをしているが、美里からもらったパワーのお陰でもあると思ってる。

 私が先生・生徒・保護者に対して話したことが、美里が実証してくれている。

 美里に感謝、「有難う!」である。

 確かに中村美里はとてつもない柔道選手かも知れない。

 しかし、そんな美里もすべてが第一歩から始まっていることも忘れてはいけない。

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2015年8月18日 (火)

大学合格実績を伸ばすために

 私が佐久長聖中学・高等学校校長に就任できた理由はいくつかある。

 その一番は「ご縁」、次は渋渋の入試対策部部長をやっていたこと。つまり、渋渋の大学合格実績・柔道部実績を含め、渋渋が出した結果すべてに佐藤が絡んでいると都合良く解釈していただいたから〔正直、とても嬉しかったが・・・〕。

 そして、私自身が体育教師であったことも柔道部総監督であったことも文武両道の佐久長聖にとっては似合ったかも知れない〔勝手にそう思ってる〕。

 と言っても、私の戦いは始まったばかり。

 何事もある程度の完成までは、時間がかかるのは承知している。だが、今私が置かれている立場は早めの結果が求められることも事実である。

 「有言実行」しかない!と言っても精神的にダメージを受ける程、焦ってはいないので、ご心配なく!

 ついでに「鈍感力」も十分に発揮していきたいと考えてる。

 正直なところ、これまでの佐久長聖は「学力・技術力」養成に力を入れすぎてきたように感じる。東大に入るには「勉強」しかない。運動部でトップを目指すには「練習」しかない。確かにそうだと私も思う。ただ問題となるのは「しかない!」にある。

 「勉強」を好きになるためにはどうするか? 「東大」に入りたいと強く思うためにはどうすればいいか? 何のために、誰のために「大学受験」をするのか? 苦しいことを楽しいことにするにはどうしたらいいか? 等々 東大に合格させるためだけのこと以外、何も考えていなっかたように感じた。

 運動部で考えると例えば「柔道」が好きで強くなるためにはどうするか? 何を目標にして努力するか? 柔道を頑張れば、その先に何が見えてくるのか? 等々、「学力・技術力」を磨く前に「心」を磨くことと頑張る本人自身の高いモチベーションが必要であると思ってる。

 その「心」の次に来るのが、「学力・技術力」なのである。〔頑張る理由があるから頑張れるのである〕

 渋渋の東大合格者が2桁に到達した頃の話であるが、各方面から東大合格者が増えた理由をよく聞かれた。私は、まず「あいさつ」がしっかりできる学校になったことが一番の理由と答えていた。それは「あいさつ」から生まれる人と人の繋がり、頑張りの源がそこにあるからだと思っている。

 その次が「生徒それぞれ」の努力、そして「教師たち」が生徒の気持ちに添って面倒を見ることができた〔面倒を見すぎていなかった〕ことを強調してきた。生徒の頑張りの邪魔はしていなかったのだ。

 トップレベルの大学を目指す生徒にとって大切なことは、自分が将来就きたい職業選択にあると、私は思ってる。

 要するに大学受験のスタートは大学選びではなく、学部選びなのだ。

 

 

 

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