美里有難う!
カザフスタン・アスタナで開催されている「世界柔道選手権」において、昨日中村美里が女子-52㎏級で金メダルを獲得した。
4年ぶり3回目の世界選手権優勝である。
前回はロンドンオリンピック前の優勝!今回もリオデジャネイロオリンピック大会の前年になる。オリンピック日本代表に選出されるか否かは、来年4月まで分からないが、かなり近づけたことは確かである。
期待ではなく、楽しみにオリンピック代表となる瞬間を待ちたいと思う。そして、金メダルを獲る瞬間は、できれば現地で見届けたいと思ってる。
ロンドンオリンピック初戦敗退から、世間的にはあっという間の3年間だったような気がするが、私にとっては長い3年間と感じている。美里にとってはどれ程のものだったか?
ロンドンオリンピックで負けた日の夜、美里と一緒に食事を摂ることができた〔メダリストになってしまうとテレビ出演でとても一緒にはすごせない〕。私の記憶だとロンドン三越の隣の日本食レストランだった。
膝の痛みを抱えながらの戦いだったので厳しい戦いになることは予測できていたが、本人は一切そのことを口にすることはなかった〔アスリートとしては当然のことだろうが〕。
日本に帰国後、あらためて病院で診察をうけたところ「左膝前十字靭帯断裂」であり、10月に再建手術受けることとした。多分、この時は柔道への復帰はどの程度考えていたのか、私には計り知れない。
その後、大手術は成功したが、リハビリの大変さは想像を絶するものだった。そして1年後には補助金具除去のための手術。メスを入れる以上、術後のあらためてのリハビリは当然で、よくも腐らずに耐えたものだと思う。
最初の復活の時、講道館杯を制したがグランドスラムでは思うような戦いができなかった。そして、本格的な練習ができるようになり、今年4月の体重別選手権で優勝し、世界柔道選手権代表に選出され、今回の金メダルに繋がった。
美里は私の教え子ではなく、私の「恩師」ぐらいに色々なことを教えてくれた。飽きっぽい私に「我慢すること」・「耐えること」はまさにそれである。
自由さ・楽しさは私の強い思いであるが、美里はそんな私の気持ちも彼女の中で上手に使い分けていたように思う。
今、校長として色々な取り組みをしているが、美里からもらったパワーのお陰でもあると思ってる。
私が先生・生徒・保護者に対して話したことが、美里が実証してくれている。
美里に感謝、「有難う!」である。
確かに中村美里はとてつもない柔道選手かも知れない。
しかし、そんな美里もすべてが第一歩から始まっていることも忘れてはいけない。
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